社労士受験勉強における埋没費用と機会費用
- 社労士つつみ

- 2020年2月15日
- 読了時間: 3分
経営学(ファイナンス)の本を読みました。
グロービス・マネージメント・インスティテュート著『MBA ファイナンス』
読後感を書きます(社労士試験とは関係ありません)。
利益が出ていない投資(プロジェクト)を継続するか否か、判断基準の大原則は
「埋没費用(sunk cost)は判断基準に含めない」
「その投資により今後生み出されるお金と機会費用(opportunity cost)とを対比して判断すべし」
埋没費用(sunk cost)とは、既に遣ってしまったお金のこと。そのプロジェクトのために遣ってしまった全てのお金。
機会費用(opportunity cost)とは、そのプロジェクトを続けることで変わりに失うお金のこと(そのプロジェクトのために別の事業機会を失う、諦める場合 ∵遣えるお金には限りがある)。
既に遣ってしまったお金のことをあれこれ考えても、そのお金は返ってきません。
プロジェクト継続により生み出されるお金 > 機会費用(opportunity cost) ※
この不等号が成り立つときに限って、プロジェクト継続が許されるはず。
しかし現実には、埋没費用(sunk cost)に気を取られ、「あんなにお金を遣ったのに事業撤退なんて、もったいない! その上、オレたちの責任が問われかねない」なんて議論が起こることも、会社の中ではよくある話。★
これを読んだとき、自分の受験生時代の懊悩を思い出しました。
何回も不合格が続き、「もう無理かも。社労士あきらめようかな」と思いかけたときのこと。
試験勉強に費やせる時間は限られています。上記、プロジェクトに費やせるお金と同じく、限りあるものです。一度しかない人生の、限りある一部分を投資して試験勉強してきたのです。
揺れる思い①
こんなに頑張っても合格できないなら無駄、ほかの事に注力したほうがマシ?
揺れる思い②
こんなに長い時間を費やして(人生の貴重な時間を投資して)試験勉強を頑張ってきたのに、諦めるなんてもったいないのでは?
揺れる思い①はまさに、上記※の不等式ですね。利益の見込めないプロジェクト(合格が見込めない試験)を継続するより、少しでも利益が見込める別事業(家族と楽しく過ごす等)へ転換したほうが、長い目で見れば、豊かな人生が過ごせるのでは、という思い。
揺れる思い②はまさに、上記★のエピソード、埋没費用(sunk cost)についての誤った認識と同じミスを犯そうとしていますね。過ぎ去った時間をアレコレ考えるのではなく、今後生み出される成果を判断基準にすべきなのに。
で、結局、当時の私はどのような判断を下したか。
「埋没費用(sunk cost)は判断基準に含めない」
この原則と真逆のことをやってしまいました。
こんなに長い時間を費やしたのだから、もう少し頑張ってみよう。諦めなければ、いつかきっと合格できるはず。
そう考え直して、勉強を再開し、数年後に(数回の不合格を追加して)合格しました。
埋没費用(sunk cost)に囚われ、「プロジェクト(試験勉強)継続により生み出されるキャッシュ(試験合格という成果)を甘く試算してしまった(合格するだろ、と自分に都合良く解釈してしまった)自分に気づきました。
経営学の教科書に書いてある大原則に反する意思決定。そんな不合理な意思決定をしてしまった私でしたが、今となっては「社会保険労務士試験合格」を手にすることができています。
長い人生、一度ぐらい不合理なことをやってみるのも悪くはないな、と思いました。
以上が私の読後感です。
受験生各位の健闘を祈ります。

コメント