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第52回本試験解答解説:択一式「労働者災害補償保険法」問7

  • 執筆者の写真: 社労士つつみ
    社労士つつみ
  • 2022年1月24日
  • 読了時間: 4分

〔問 7〕 労災保険の特別支給金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


A 労災保険特別支給金支給規則第6条第1項に定める特別支給金の額の算定に用いる算定基礎年額は、負傷又は発病の日以前1年間(雇入後1年に満たない者については、雇入後の期間)に当該労働者に対して支払われた特別給与(労働基準法第12条第4項の3か月を超える期間ごとに支払われる賃金をいう。)の総額とするのが原則であるが、いわゆるスライド率(労災保険法第8条の3第1項第2号の厚生労働大臣が定める率)が適用される場合でも、算定基礎年額が150万円を超えることはない。


B 特別支給金の支給の申請は、原則として、関連する保険給付の支給の請求と同時に行うこととなるが、傷病特別支給金、傷病特別年金の申請については、当分の間、休業特別支給金の支給の申請の際に特別給与の総額についての届出を行っていない者を除き、傷病補償年金又は傷病年金の支給の決定を受けた者は、傷病特別支給金、傷病特別年金の申請を行ったものとして取り扱う。


C 第三者の不法行為によって業務上負傷し、その第三者から同一の事由について損害賠償を受けていても、特別支給金は支給申請に基づき支給され、調整されることはない。


D 休業特別支給金の支給は、社会復帰促進等事業として行われているものであることから、その申請は支給の対象となる日の翌日から起算して5年以内に行うこととされている。


E 労災保険法による障害補償年金、傷病補償年金、遺族補償年金を受ける者が、同一の事由により厚生年金保険法の規定による障害厚生年金、遺族厚生年金等を受けることとなり、労災保険からの支給額が減額される場合でも、障害特別年金、傷病特別年金、遺族特別年金は減額されない。



解答:D


解説:


肢A:正

 設問のとおりです。

 労災保険特別支給金支給規則第6条第4項と第5項を併せて読めば、いわゆるスライド率を乗じた場合でも、算定基礎年額の上限が150万円であることが読み取れます。上限である150万円にスライド率を乗じるのではなく、スライド率を乗じた算定基礎年額の上限が150万円です。



肢B:正

 設問のとおりです。申請者の負担を軽減する配慮かと読み取れます。休業補償特別支給金、障害特別支給金、遺族特別支給金には「・・・の請求と同時に行わなければならない」旨の規定がありますが、傷病特別支給金にはこのような規定がありません(労災保険特別支給金支給規則第5条の2)。


労災保険特別支給金支給規則第3条第5項

 休業特別支給金の支給の対象となる日について休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付を受けることができる者は、当該休業特別支給金の支給の申請を、当該休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付の請求と同時に行わなければならない


同規則第4条第7項

 同一の事由により障害補償給付、複数事業労働者障害給付又は障害給付の支給を受けることができる者は、障害特別支給金の支給の申請を、当該障害補償給付、複数事業労働者障害給付又は障害給付の請求と同時に行わなければならない。


同規則第5条第7項

 同一の事由により遺族補償給付、複数事業労働者遺族給付又は遺族給付の支給を受けることができる者は、遺族特別支給金の支給の申請を、当該遺族補償給付、複数事業労働者遺族給付又は遺族給付の請求と同時に行わなければならない。



肢C:正

 設問のとおりです。特別支給金は保険給付ではないので、損害賠償との併給調整はありません。


労災保険法第14条の4

 政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。

② 前項の場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる



肢D:誤

 休業特別支給金は、休業(補償)給付と同じく、2年を経過したら時効により消滅します。


労災保険特別支給金支給規則第3条第6項

 休業特別支給金の支給の申請は、休業特別支給金の支給の対象となる日の翌日から起算して二年以内に行わなければならない。


労災保険法第42条 

 療養補償給付、休業補償給付、葬祭料、介護補償給付、複数事業労働者療養給付、複数事業労働者休業給付、複数事業労働者葬祭給付、複数事業労働者介護給付、療養給付、休業給付、葬祭給付、介護給付及び二次健康診断等給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したとき、障害補償給付、遺族補償給付、複数事業労働者障害給付、複数事業労働者遺族給付、障害給付及び遺族給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から五年を経過したときは、時効によつて消滅する。



肢E:正

 設問のとおりです。

 設問にある併給調整(労災と厚年との併給=労災側を減額)は、特別年金には適用されません。特別支給金、特別年金は、肢Cの「損害賠償との併給調整」もないことと併せて覚えておきましょう。




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©社会保険労務士 堤慶喜。Wix.com で作成されました。

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