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第52回本試験解答解説:選択式「労働基準法及び労働安全衛生法」

  • 執筆者の写真: 社労士つつみ
    社労士つつみ
  • 2021年2月11日
  • 読了時間: 4分

〔問1〕次の文中の【 】の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。


2 最高裁判所は、自己の所有するトラックを持ち込んで特定の会社の製品の運送業務に従事していた運転手が、労働基準法上の労働者に当たるか否かが問題となった事件において、次のように判示した。

「上告人は、業務用機材であるトラックを所有し、自己の危険と計算の下に運送業務に従事していたものである上、F紙業は、運送という業務の性質上当然に必要とされる運送物品、運送先及び納入時刻の指示をしていた以外には、上告人の業務の遂行に関し、特段の指揮監督を行っていたとはいえず、【B】の程度も、一般の従業員と比較してはるかに緩やかであり、上告人がF紙業の指揮監督の下で労務を提供していたと評価するには足りないものといわざるを得ない。そして、【C】等についてみても、上告人が労働基準法上の労働者に該当すると解するのを相当とする事情はない。そうであれば、上告人は、専属的にF紙業の製品の運送業務に携わっており、同社の運送係の指示を拒否する自由はなかったこと、毎日の始業時刻及び終業時刻は、右運送係の指示内容のいかんによって事実上決定されることになること、右運賃表に定められた運賃は、トラック協会が定める運賃表による運送料よりも1割5分低い額とされていたことなど原審が適法に確定したその余の事実関係を考慮しても、上告人は、労働基準法上の労働者ということはできず、労働者災害補償保険法上の労働者にも該当しないものというべきである。」


Bの解答:時間的、場所的な拘束(肢16)

Cの解答:報酬の支払方法、公租公課の負担(肢20)


解説:判例からの出題です(最高一小1996年11月28日:旭紙業事件)。

 この判例を知らなくても、労働者の要件(労働者性)に関する出題は過去にもありましたので、それをヒントに答えを絞り込んでいくことはできたと思います。


 まず労働基準法第9条では「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」と定義しています。また労働組合法第3条では「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。」いずれも頻出事項ですので正確に覚えましょう(選択式で狙われます)。


 厚生労働省の資料も参照下さい。


 指揮監督下の労働(肢16:時間的、場所的な拘束)、報酬の労務対象性(肢20:報酬の支払い方法、公租公課の負担)などが裁判所の判断の分かれ目となっています。尚、紛らわしかったのが肢18「事業組織への組入れ、報酬の支払方法」ですが、上記資料では労働組合法上の労働者としての判断基準の中に「事業組織への組入れ」が書かれています。

 

 判決文のうち、問題文には記載されていなかった部分を読むと、肢20が正解である理由が読み取れますので、以下に記載しておきます。(1)指揮命令下にあるといえるか、(2)勤務時間、(3)報酬の支払方法、(4)経費負担、(5)公租公課の負担方法、を判断基準としています。


 「上告人は、自己の所有するトラックをA株式会社の横浜工場に持ち込み、同社の運送係の指示に従い、同社の製品の運送業務に従事していた者であるが、(1)同社の上告人に対する業務の遂行に関する指示は、原則として、運送物品、運送先及び納入時刻に限られ、運転経路、出発時刻、運転方法等には及ばず、また、一回の運送業務を終えて次の運送業務の指示があるまでは、運送以外の別の仕事が指示されるということはなかった、(2)勤務時間については、同社の一般の従業員のように始業時刻及び終業時刻が定められていたわけではなく、当日の運送業務を終えた後は、翌日の最初の運送業務の指示を受け、その荷積みを終えたならば帰宅することができ、翌日は、出社することなく、直接最初の運送先に対する運送業務を行うこととされていた、(3)報酬は、トラックの積載可能量と運送距離によって定まる運賃表により出来高が支払われていた、(4)上告人の所有するトラックの購入代金はもとより、ガソリン代、修理費、運送の際の高速道路料金等も、すべて上告人が負担していた、(5)上告人に対する報酬の支払に当たっては、所得税の源泉徴収並びに社会保険及び雇用保険の保険料の控除はされておらず、上告人は、右報酬を事業所得として確定申告をしたというのである」




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©社会保険労務士 堤慶喜。Wix.com で作成されました。

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