第52回本試験解答解説:択一式「労働基準法及び労働安全衛生法」問2
- 社労士つつみ

- 2021年5月10日
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択一式試験問題
労働基準法及び労働安全衛生法
〔問2〕労働基準法に定める監督機関及び雑則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 労働基準法第106条により使用者に課せられている法令等の周知義務は、労働基準法、労働基準法に基づく命令及び就業規則については、その要旨を労働者に周知させればよい。
B 使用者は、労働基準法第36条第1項(時間外及び休日の労働)に規定する協定及び同法第41条の2第1項(いわゆる高度プロフェッショナル制度に係る労使委員会)に規定する決議を労働者に周知させなければならないが、その周知は、対象労働者に対してのみ義務付けられている。
C 労働基準監督官は、労働基準法違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行うほか、労働基準法第24条に定める賃金並びに同法第37条に定める時間外、休日及び深夜の割増賃金の不払については、不払をしている事業主の財産を仮に差し押さえる職務を行う。
D 労働基準法及びこれに基づく命令に定める許可、認可、認定又は指定の申請書は、各々2通これを提出しなければならない。
E 使用者は、事業を開始した場合又は廃止した場合は、遅滞なくその旨を労働基準法施行規則の定めに従い所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
解答:D
解説:
肢A:誤
この肢は頻出です、以前にも出題されていました。周知義務は「要旨」なのか、そのもの全部なのか、冷静に考えれば分かるひっかけ問題ですが、本試験の緊張感で間違えないように気をつけたいところです。
労働基準法第106条によると、労働基準法及びこれに基づく命令は「要旨」を周知、これら以外(就業規則、協定、決議の類)は「要旨」とは書いていないので、要旨を周知するだけでは足りず、全体を周知しなければならないことが明らかです。
肢B:誤
なんだか、いかにももっともらしいことが書いてある肢ですが、誤りです。事業場の労働者に周知させる義務が事業主に課せられています。同法同条第1項に「常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知」と規定されています。対象労働者のみに限定する文言はありません。
少し異なるのが同法同条第2項、寄宿舎規則は「寄宿舎に寄宿する労働者に周知」と規定されているので、設問にあるように「その周知は、対象労働はに対してのみ義務付けられて」います。
肢C:誤
労働基準監督官の権限は以下の条文に規定されています。
第101条
第1項 労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。
第2項 前項の場合において、労働基準監督官は、その身分を証明する証票を携帯しなければならない。
第102条 労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。
第103条 労働者を就業させる事業の附属寄宿舎が、安全及び衛生に関して定められた基準に反し、且つ労働者に急迫した危険がある場合においては、労働基準監督官は、第96条の3の規定による行政官庁の権限を即時に行うことができる。
第96条の3
第1項 労働者を就業させる事業の附属寄宿舎が、安全及び衛生に関し定められた基準に反する場合においては、行政官庁は、使用者に対して、その全部又は一部の使用の停止、変更その他必要な事項を命ずることができる。
第2項 前項の場合において行政官庁は、使用者に命じた事項について必要な事項を労働者に命ずることができる。
賃金不払の差し押さえは、監督署ではなく裁判所に申し立てる必要があります。
肢D:正
労働基準法施行規則第59条からの出題です。条文そのままの出題ですが、私の知る限りでは、過去にこれが出題された記憶がありません。電子申請や押印廃止などの流れが出題の背景にあるものと推測されます。
肢E:誤
事業開始や廃止の届出は、労働保険、労災・雇用保険、健保・年金には規定がありますが、労働基準法(施行規則含む)には規定されていません。設問のような報告は不要です。
・労働保険:保険関係成立届(保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内)
・雇用保険:雇用保険適用事業所設置届(設置の日の翌日から起算して10日以内)
・健保~年金:新規適用届(事実発生から5日以内)
書類の名称、提出期限、提出先も整理しておきましょう(横断整理は重要です)。

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