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第52回本試験解答解説:択一式「労働基準法及び労働安全衛生法」問7

  • 執筆者の写真: 社労士つつみ
    社労士つつみ
  • 2021年11月22日
  • 読了時間: 4分

〔問 7〕 労働基準法に定める就業規則等に関する次の記述につき、正しいものはどれか。


A 慣習等により、労働条件の決定変更につき労働組合との協議を必要とする場合は、その旨を必ず就業規則に記載しなければならない。


B 労働基準法第90条に定める就業規則の作成又は変更の際の意見聴取について、労働組合が故意に意見を表明しない場合又は意見書に署名又は記名押印しない場合には、意見を聴いたことが客観的に証明できる限り、行政官庁(所轄労働基準監督署長)は、就業規則を受理するよう取り扱うものとされている。


C 派遣元の使用者は、派遣中の労働者だけでは常時10人以上にならず、それ以外の労働者を合わせてはじめて常時10人以上になるときは、労働基準法第89条による就業規則の作成義務を負わない。


D 1つの企業が2つの工場をもっており、いずれの工場も、使用している労働者は10人未満であるが、2つの工場を合わせて1つの企業としてみたときは10人以上となる場合、2つの工場がそれぞれ独立した事業場と考えられる場合でも、使用者は就業規則の作成義務を負う。


E 労働者が、遅刻・早退した場合、その時間に対する賃金額を減給する際も労働基準法第91条による制限を受ける。


解答:B


解説:


肢A:誤

 就業規則の絶対的必要記載事項に、このような項目はありません。設問のような労使慣行を労働協約に記載することはあり得ると思いますけど。

 条文です。

(作成及び届出の義務)

第89条 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

1 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

2 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

3 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

3の2 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

4 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

5 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

6 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

7 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

8 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

9 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

10 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項



肢B:正

 通達からの出題です(昭和23年5月11日基発735号、昭和23年10月30日基発1575号)。就業規則の成立要件に、労働組合の賛否は含まれていません。労働組合(過半数代表者)の意見を聴取する必要はありますが、必ずしも賛成意見をもらう必要はありませんし、意見書の提出を拒否している場合でも、その他の要件を満たせば、就業規則は有効に成立します。使用者が制定し、労働者の意見を聴いて所轄労基署へ届出、そして労働者へ周知、法の要件はこれだけです。



肢C:誤

 派遣中の労働者は、派遣元の使用者と労働契約を交わしていて、派遣元の会社の労働者ですので、派遣中の労働者とそれ以外の労働者を合わせて常時10人以上になるときは、派遣元の使用者に就業規則の作成義務があります。



肢D:誤

 就業規則の作成義務が課される「常時10人以上」の判断基準は、事業場単位であって企業全体ではありません。設問のように、2つの工場がそれぞれ独立した事業場と考えられる場合であれば、各々の事業場が常時10人に満たないので、使用者に就業規則の作成義務が課されることはありません。



肢E:誤

 設問の「労働基準法第91条による制限」とは、下記の条文のことを言っています。

(制裁規定の制限)

第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。


 遅刻・早退をした場合の、その時間分の減額は、いわゆる「ノーワーク・ノーペイ」の原則ですので、制裁には当たりません。91条の制限を受けることはありません。これを超える額を減額すると、同条の制限を受けることになります。


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©社会保険労務士 堤慶喜。Wix.com で作成されました。

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