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第52回本試験解答解説:択一式「労働基準法及び労働安全衛生法」問4

  • 執筆者の写真: 社労士つつみ
    社労士つつみ
  • 2021年5月17日
  • 読了時間: 4分

択一式試験問題


労働基準法及び労働安全衛生法


〔問4〕 労働基準法の総則(第1条~第12条)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


A 労働基準法第3条に定める「国籍」を理由とする差別の禁止は、主として日本人労働者と日本国籍を持たない外国人労働者との取扱いに関するものであり、そこには無国籍者や二重国籍者も含まれる。


B 労働基準法第5条に定める「精神又は身体の自由を不当に拘束する手段」の「不当」とは、本条の目的に照らし、かつ、個別の場合において、具体的にその諸条件をも考慮し、社会通念上是認し難い程度の手段をいい、必ずしも「不法」なもののみに限られず、たとえ合法的であっても、「不当」なものとなることがある。


C 労働基準法第6条に定める「何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」の「利益」とは、手数料、報奨金、金銭以外の財物等いかなる名称たるかを問わず、また有形無形かも問わない。


D 使用者が、選挙権の行使を労働時間外に実施すべき旨を就業規則に定めており、これに基づいて、労働者が就業時間中に選挙権の行使を請求することを拒否した場合には、労働基準法第7条違反に当たらない。


E 食事の供与(労働者が使用者の定める施設に住み込み1日に2食以上支給を受けるような特殊な場合のものを除く。)は、食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、①食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと、②食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと、③食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること、の3つの条件を満たす限り、原則として、これを賃金として取り扱わず、福利厚生として取り扱う。



解答:D


解説:

細かいことを書いた肢が並んでいますが、肢Dは条文をそのまま理解できてさえいれば解けます。他の肢に惑わされないようにしましょう。



肢A:正

設問のとおりです。日本人労働者と日本国籍を持たない労働者、不利な状況に置かれがちなのがどちらか想像すれば分かる肢ですね。尚、外国人であっても(日本国籍を持たない労働者であっても)、日本国内で就労する限り、原則として労働基準法が適用されます。



肢B:正

通達からの出題です。昭和63年3月14日基発第150号。



肢C:正

通達からの出題です。昭和63年3月14日・基発第150号。

私見ですが、コロナ前の人手不足で「リファラル採用」が話題になったことも、出題の背景にあるものと推測されます。


同じ通達から過去にも出題がありました。以下、引用します。


「業として利益を得る」とは、営利を目的として、同種の行為を反復継続することをいう。従って一回の行為であっても、反復継続して利益を得る意思があれば充分である。主業として為されると副業として為されるとを問わない。

(中略)使用者より利益を得る場合のみに限らず、労働者又は第三者より利益を得る場合をも含む。



肢D:誤

条文を冷静に思い出せば分かる肢です。「労働時間中に・・・請求した場合においては、拒んではならない」と規定されています。


第7条 使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。


もう一つ、蛇足かもしれませんが、法令に反する内容を定めた就業規則は無効ですよね。

第92条

第1項 就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。

第2項 行政官庁は、法令又は労働協約に牴触する就業規則の変更を命ずることができる。


設問のように、法令に反する内容の就業規則を定めても、通用しません(無効です、法令で定めたとおりになります)。



肢E:正

食事の供与は過去にも出題実績があります。

この肢は「賃金 or 福利厚生」の判断基準に関するもので、源泉所得税において課税か非課税かという問題とはまったく別ですので、混同しないように気をつけましょう(私は過去の本試験でこれを混同し失点しました)。


通達からの出題です。昭和30年10月10日・基発644号。


なお、労働者から代金を徴収するものは、原則として賃金ではありませんが、徴収額が実際費用の3分の1以下であるときは、徴収額と実際費用の3分の1との差額部分は賃金とみなされます(昭22年12月9日・基発452号)。これを上記「源泉所得税」の問題と混同しないように気をつけましょう(実務で下手に深入りし本試験で苦しんだ私です)。


念のため、源泉所得税の非課税ラインも書いておきます。

次の要件をどちらも満たしていれば非課税です。

・役員や使用人が食事の半分以上を負担

・次の金額が1カ月あたり3,500円(税抜)以下

 (食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額) = 3,500円(税抜)以下

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©社会保険労務士 堤慶喜。Wix.com で作成されました。

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